溝を掘り、大きすぎる画布を上げ下げしながらモネは描いた。貧しさのなか、枝葉をすり抜ける本物の光を掴むために。
彼が見つめていたのは、たえまなく通り過ぎていく光。白いドレスに落ち、地面に散る木漏れ日。この絵の前に立つと、不思議と時間が止まらない。葉が揺れ、光が移ろい、今もどこかで風が吹いているような気がしてくる。
柔らかな光を、ひとすじの銀に。それを引き立てる影を、深い黒に。互いがあって、はじめて意味を持つ。
過ぎてゆくからこそ、その一瞬はかけがえなく輝く。揺るぎない情熱を宿す"萃点"は、まだ自分にしか見えない何かへ、それでも進むと決めた気高さを称えてくれる。